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英文法

仮定法過去(初級向け) Subjunctive mood

基礎Ⅰレベル(TOEIC L&R TEST ~600 / 英検2級)

仮定法は、実際に起こったわけではないが、実際に起こっていればこうだろうなというときに使います。今回の解説では仮定法過去を取り扱います。この記事は、初級向けの方に書いています。

例えば、「雨が降っていなければ(晴れていれば)ハイキングに行けるのにな」という自分の気持ちを表す場合は、 I could go hiking if it was not rain.  または I could go hiking if it were fine.  となります。実際には雨ですので、ハイキングには行けません。話し手の「行けなくて残念」という気持ちも伝わってきます。

I can go hiking if it is fine. とは、どのように違うのでしょうか。

この場合は、「晴れればハイキングに行くことができる」という意味で、「ある条件であれば~だ」と単純に説明しているだけです。実際にどうであったかも分かりません。単に当たり前のこと(日常のこと)を言っているだけかもしれません。

それに比べ、仮定法を用いた上記の例文では、実際には雨でハイキングに行けないことが分かります。晴れればハイキングなのですが、雨だから行けないのです。理由もよく分かります。

仮定法は、日本人には馴染みの薄い文法のひとつかも知れませんが、慣れれば、 英作文や会話などいろいろなところで力を発揮します。まずは、簡単なパターンを学んで、仮定法に慣れてみましょう。

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If S V(過去形), S would (could) —

最初に学ぶ仮定法の形式です。例文を見てみましょう。仮定法では、現在のことであっても、主節も条件節も、動詞は過去形を用います。ForestやBeなどの文法書も参考にご覧ください。

You would go to school if you didn’t catch a bad cold.
風邪を引かなかったら学校にいけるのに。
If I had a little bit time, I could solve the last question.
ほんのもう少し時間があれば、最後の問題を解くことができます。

授業のことを考えたら、少しくらい風邪を引いても学校に行きたいですよね。(そうでない人もそう思ってください) 今回の場合、風邪の症状が余程ひどいのか、または、母から止められたのか、結局、学校を休休むことに決めたというような状況が脳裏に浮かびます。if節は「仮に~だとすれば」の意味です。

I’m absent from school because I caught a bad cold. (風邪を引いたので、学校を休む) と書くことができます。メールなどで学校にお知らせする際は、こちらの普通の文(直接法)を使います。友達とのチャットなどでしたら、I would ~ と臨場感たっぷりに会話できますね。

二つ目の例文は、皆さんも定期試験などの度に感じたことがあると思います。配点の大きい最後の方の大問まで時間切れで手が回りません。大問の中の小問のいくつかは以外に簡単だったりして、がっくりしたことが何度もあります。

そんな時に使う(笑)のが、この例文のような言い方(書き方)です。a little bit (ほんのちょっと)はNativeが会話の中でよく使います。本当によく使います。本当にもう少しなのでしょうね。何とか解けていればという残念な気持ちが表現に出ています。

I cannot solve the question because I don’t have enough time to solve it. と普通の文でも書けますが、何か味気ないというか、寂しいというか、臨場感が湧きません。ご自身の日記やStudy Noteには、是非、例文のような仮定法を取り入れてみて、「くやしい!」という気持ちも一緒に記録しておいてください。

仮定法を使うと、表現が豊かになります。いろいろな話し手の気持ちを伝えることができます。また、婉曲話法といって、ずばりそのものを言わず、やんわりと物事を伝えることができます。人に丁寧に尋ねたり、お願いしたりすることもできます。両方とも立派な大人の対応ですね。高校生からは、そのような実社会で必要とされることも学びます。

仮定法の見分け方と例文(仮定法過去)

文章を読んでいて、過去のことではないのに過去形で書いてあったら(現在のことを言っているのに過去形で書いてあったら)仮定法と見分けることができます。例えば、主節では、willの過去形のwouldがよく使われます。仮定法過去では、現在の事実とは違うことを示すために、敢えて動詞は過去形を用いると覚えましょう。慣れてくると文脈でも判断できます。

普通の英作文で仮定法を使う場合は、現在の事実と反対のことを動詞の過去形を用いて書くということを覚えておいてください。例えば、以下の例文のように、話し手の思っている「訓練しない→失敗する」という事実に対し、「訓練していれば成功するのに」と過去形を使って書いてみましょう。(実際は失敗)

We don’t train well. So we fail.
よく訓練しないと失敗する。
If we trained well, we would succeed .
よく訓練していれば成功するのに。

英語でも何でもそうですが、訓練(練習)によって段々と力が備わってきます。そして、力が備わった状態で受験や仕事をすれば、きっと良い成果が得られると思います。ひとりではありません。一緒に頑張りましょう!

If your lab got much money, you could go on research.
研究資金を獲得できたら、研究を続けられるのですが。
I wish I were a dog.
ワンコだったらなぁ。

ここでいう money は fund(資金)のことです。資金の確保が難しくて研究を継続できないという趣旨です。次の例文は、仮定法初心者の暗記例文の定番です。勉強や仕事で忙殺されると、そう思いたくなるときもありますよね。人は犬ではありませんから仮定法が最適です。口語では were の代わりに was を使ってもOKです。

Would you mind if I smoked here?
ここでタバコを吸ってもよろしいですか。
If it were not for the moon, life would not spring.
月がなければ、生命は発生しないだろう。

一つ目の例文は、「ここで、もしもタバコを吸ったらお気に障りますか」という意味です。 仮定法は話し手の主観によるため、相手に対して幾分丁寧な表現とされています。日本語でも直接的な表現より間接的な(控えめな)表現の方が好まれる場合があります。ちなみに、OKの場合は、No, I wouldn’t. Go ahead. などの返事で、嫌な場合は、やや硬い表現ですが、Please refrain from smoking here. と断ってください。

二つ目の例文は、仮定法を使った慣用表現で、現在の事実に反して「もしも~がなければ」という意味を伝えたいときに使います。実際には、巨大な衛星(月)のお陰で、昔は海の潮汐が非常に大きく、その撹拌(混ぜる)作用が奏功して、地球に小さな生命が生まれました。(という考え方が最も有力です) ということは、「月がなければ、生命もまた生まれない」という表現になります。数学の命題(対偶)みたいですね。

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