分詞・受動態・能動態 ~英文法をやさしく解説~

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基礎Ⅰレベル(TOEIC L&R TEST ~600 / 英検2級)

Last Updated on 2012年11月12日 by Usayama

★分詞(participle)

分詞は動詞の活用の一つで、「現在分詞」と「過去分詞」があります。現在分詞は< 動詞の原形 + ~ing >で「~している」という能動的な意味、過去分詞は< 動詞の原形 + ~ed >で「~された」という受動的な意味を表します。

= 限定用法 =

分詞は動詞の性質を持ちながら名詞を修飾し、形容詞の働きをします。これを限定用法と言います。(1)分詞が1語だけで名詞を修飾する場合は名詞の前、(2)分詞が目的語や補語・修飾語句を伴って名詞を修飾する場合は名詞の後ろに置きます。

(1)・There is a sleeping cat on the sofa. → 現在分詞

(ソファの上に眠っている猫がいる。)

・There is a broken clock on the wall. → 過去分詞

(壁に壊れた時計が掛っている。)

(2)・The girl swimming in the pool is my daughter. → 現在分詞

(プールで泳いでいる女の子は、私の娘です。)

The picture taken by Lucy is in this album. → 過去分詞

(ルーシーが撮った写真はこのアルバムの中にあります。)

= 叙述用法 =

分詞が動詞の補語として主語や目的語を説明する用法を叙述用法と言います。

(1)    主格補語 <S + V + C>

He sat reading at the library all day long.(He = reading)→ 現在分詞

(彼は一日中図書館で本を読んでいた。)

She looked pleased with the present.(She = pleased)→ 過去分詞

(彼女はそのプレゼントに喜んでいるように見えた。)

≪ Tips ≫

・現在分詞の場合は、運動・状態・持続の意味を表す動詞の補語(例:come, go, stand, sit, keep, remain…)、過去分詞の場合は、状態・様態・変化を表す動詞の補語(例:remain, seem, look, get, become…)になることが多いです。

・動名詞形も「動詞のing形」ですが、動名詞は「~すること」という意味で、文中で名詞的な役割があります。これに対し、現在分詞は文中で形容詞的な役割をします。

(2)    目的格補語<S + V + O + C>

・I saw him playing tennis yesterday.(him = playing)→ 現在分詞

(私は昨日彼がテニスをしているのを見た。)

・She couldn’t make herself understood in English.(herself = understood)→ 過去分詞

(彼女は英語を理解させることができなかった。=彼女の英語は通じなかった。)

= 分詞構文(participial construction)=

分詞が動詞と接続詞の働きをして副詞句になる形を分詞構文と言います。この構文は文語的で硬い表現なので、日常的な会話ではあまり使われません。

(1)「時」を表す:~した時に

・Seeing the pictures, I remembered my childhood.

(その写真を見て、私は子どもの頃を思い出した)
※Seeing (= When I saw )

・Walking along the street, he met her teacher.

(通りを歩いていた時に、彼女は先生に会った。)
※Walking (= While she was walking )

(2)「原因・理由」を表す:~なので

・Being tired, I went to bed early last night.

(疲れていたので、昨晩は早く寝た。)
※Being (=As I was )

・Being written in easy English, I could read it.

(やさしい英語で書かれていたので、私はその本を読むことができた。)

(3)「付帯状況」を表す:~しながら

・Waving her hand, she said good-by.

(手を振りながら、彼女はさようならと言った。)

・This train departs at six, arriving at London at seven.

(この列車は6時に出発して、7時にロンドンに到着する。)
※arriving (= and it arrives )

(4)「条件」を表す:~すれば

・Turning to the right, you will find the building.

(右へ曲がれば、その建物があります。) ※Turning (= If you turn )

(5)「譲歩」を表す:~だけれども

・Accepting what you say, I still think you are in the wrong.

(君の言い分を認めるとしても、やはり君は間違っていると思う)
※Accepting (= Although I accept )

★受動態(passive voice)と能動態(active voice)

受動態は、行為を受ける対象(目的語)が、主語となる表現です。<be動詞 + 過去分詞>で主語が「~される」となります。

これに対して、動作の主体が主語となる表現を能動態と言います。文法的に能動態の文は受動態に書き換えることが可能ですが、受動態にすると不自然な文になる場合もありますので注意しましょう。

動作の主体がが特定され、行為を受ける対象が具体的な物である場合には能動態、そして以下のような場合に受動態が良く使われます。

・行為者が漠然と世間一般の人を指す場合(you、we、they、people etc…)

(例)Over twenty languages are spoken in India.

A lot of stars are seen at night.

・動作を受ける方に関心の向けられている場合(学術・技術論文等に使う場合)

(例)He is known as a movie actor.

The car was hit by someone yesterday.

・行為者がはっきりしないとき、明らかにする必要のない場合

(例)Three people were killed in a car accident last night.

She is being trained to be a singer.

・文章や会話の前後関係で能動態の主語が分かっている場合

・内容的に能動態で表現することが不自然な場合、または慣用的に受動態が好まれる場合

= 受動態の慣用表現 =

受動態の行為者は、ふつう”by”を用いて表しますが、使われる過去分詞の性質によっては “with, in, to, at”など”by”以外の前置詞を用いることがあります。これらのよく使われる慣用表現は暗記してしまいましょう

・be interested in ~:~に興味がある

・be pleased with ~:喜ぶ・気に入る

・be surprised ~:~に驚く

・be married to ~:~と結婚している

・be known to ~:~に知られている

・be covered with ~:~で覆われている

・be born:生まれる

・be made of ~:~で作られている。

(※見た目で何で作られているか分かる場合。材料。)

・be made from ~:~から作られている。

(※見た目で何で作られているか分からない場合。原料。)

・be satisfied with ~:~に満足する

・be spoken to ~:~に話しかけられる

・be looked up to ~:~に尊敬される

・be made fun of ~:~にからかわれる