英作文のために覚えておきたい慣用表現や構文(1)

基礎Ⅰレベル(TOEIC L&R TEST ~600 / 英検2級)

英作文では、自分の真価が発揮されると言われています。文章に自分の英語の力が如実に現れます。(日本語でも同じですが)

会話ができても「ご自身の経験や知識レベルに見合った文章を書くのが苦手」という方は多いのではないでしょうか。

例えば、作文の際、どんな語彙や構文を選択するか、大学(院)生や社会人の方にとっては、論文や仕事のレポートの信用度にも関わる大切なことです。

そこで、そのような英作文のお手伝いができるよう、初級レベルの作文に使える(使い勝手の良い)表現や構文をご紹介します。

ご自身で何度か例文を書いてみて、その後、その例文を覚えてしまってください。作文の際に自然に文章がひらめくようになると思います。(例文は英検2級くらいです)

It cost 誰 いくら to不定詞 ~するのにいくらかかる(出費を強いる)

We’re now worrying that it cost us at least $30,000 to have our house repaired by the best price builder.

最安の建築業者でも私たちの家を修理してもらうのに少なくとも3万ドルはかかることが私たちの今の心配の種だ。

S cost IO DO で、~に・・・の出費を強いる(費やさせる)という意味になります。よく使います。仮主語 it は to have 以下を受けています。

as far as ~する限りにおいては (明確な条件や範囲)

The next board of directors will approve the new business plan, as far as the president of our company concedes that it is a sound investment.

社長がその事業を健全な投資であると認める限りは、次の役員会で新しい事業計画は承認されるでしょう。

as long as (期間など~する限り)と違い、明確な条件や範囲を示して主文を限定します。責任者が健全な投資と言い切れるなら(責任を取るなら)、役員会は承認するだろう(それしかない)と言う意味になります。

cannot … too ~ いくら・・・しても~し過ぎることはない

You cannot be too careful.

用心に越したことはない。念には念を入れよ。石橋を叩いて渡る。

You cannot study too diligently if you challenge hard-to-get-into universities.

難関大学に挑戦するなら、いくら勉強しても勉強し過ぎるということはない。

~しても、し過ぎるということはない、用心の上にも用心という感じです。

cannot help ~ing ~せざるを得ない

I couldn’t help donating some money to the welfare facility as a regional philanthropy.

地域の社会貢献の一環で、福祉施設にいくらか寄付せざるを得なかった。

~せずにはいられない、避けられない、思わず~してしまう、しかたないというニュアンスのときに重宝します。主観的、客観的、どちらでも使えます。

be worth ~ing ~する価値がある

These papers and journals are worth reading to accomplish your graduating thesis.

君の卒論の仕上げに、これらの論文や刊行物は一読の価値があるよ。

It’s worthwhile to ~ も同じ意味になります。be worth reading to (~するために一読の価値あり)のような表現はレポートや発表などで本当によく使います。

used to 不定詞 ~したものだ(常だった) → 今はしていない

We loved horses and used to ride double.

お互い馬が好きで、昔は一緒に乗馬したものだ。(しょっちゅう、二人乗り)

昔話の定番です。今は乗っていないか、乗っていても非常に少ないか。勘定に入れるほどでない。今もしているなら used to は使わない方がよい。

with a grain of salt 割り引いて、話半分に

A: He promised to get the premium tickets for the concert.
B: I’ll take it with a grain of salt.

A: 彼がコンサートのプレミアムチケット、必ず取るって約束したのに・・・
B: 話半分にしときなさいよ。

「せめて塩をひとつまみかけて食べないとそのままでは食べられない」というところから、全部を信じずに、少しは疑ってかからなければだめですよという意味になりました。

半信半疑のときに使います。

Live and learn 六十の手習い、長生きはいいことだ

My grandfather and I often went fishing, and I listened to his talk, including full of interesting suggestions of life. He practiced patience whether having a good catch or not, every time saying “live and learn.”

祖父と私はよく釣りに行きました。そこで、示唆に富んだ人生訓を聞かせてもらったものです。魚が釣れようが釣れまいが、「ずっと勉強だよ」と言って、祖父はじっと待つのでした。

live and learn は、還暦になって「耳順」となっても、生きている限り、ずっと学び続けることを言います。ここまでの境地に達すると、生きるために学ぶのではなく、学ぶために生きるという感じですね。素敵ですね。

非常にウィットに富んだ表現で、やや高度な文章を作る際にいろいろと応用が利きます。

fruitless (小田原評定のように)実の無い

Mr. Spencer, our senior vice president, had spent time of discussing the withdrawal plan, however, all of such was fruitless. In the end, he squandered a chance to do so.

副社長のスペンサー氏は、実の無い撤退計画の討議 (小田原評定) ばかりで、結局、機を逃してしまった。(お金と時間を浪費した上に、撤退に失敗してしまった)

大きな組織に在りがちなシチュエーションですね。会議が多く、時間も長いのに、何も決まらない。そして、時間切れで、失敗してしまう。そんなニュアンスが含まれています。

小田原評定

もともとは、戦国大名、北条家(小田原)の合議制の政治体制のことです。秀吉の小田原攻めの際、野戦派 vs 籠城派の重臣たちが毎日延々と会議に明け暮れ、結局、まともな戦もせずに、名家であった北条家は滅亡してしまいました。後に、決着のつかないことを小田原評定と言うようになりました。

ちなみに、米国で vice president というと、日本の会社の部長(部門の長)くらいの人です。

日本でいう副社長(企業経営者の一員、いわゆる重役)は senior vice president になります。

なんだか、ややこしいですね。

よかったら、他の慣用表現の記事もみてくださいね (^^♪

※例文は下方ほど少し難しくなっています。2020年2月22日に加筆しました。

https://english.asanoconsulting.com/category/idiomatic-phrases/